2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。
今朝は,陽射しが眩しい
2006.04.03.
例年,年度末には日本衛生学会が催されますので,思いの外,バタバタと日々が過ぎていきます。

今年は,山口/宇部市で行われました。その様子は,別にアップしておりますが,僕らの教室も,兵藤先生,西村先生,三浦先生,そして,僕も発表や座長など,お隣の公衆衛生学からは勝山先生も,伏見さんも来られていました。大きな町ではないのですが,僕は,恒例のテクテク倶楽部で,楽しみました。

さて,もう,これを記載しているのは,4月3日,土曜日の1日から新年度になりました。


この年度の変わり目の最も大きな出来事はといえば,兵藤講師が,川崎医療短期大学第一看護科教授として,ご栄転になられることです。既に,このホームページ上でも,3/10の送別会の様子をアップしてますし,そこにも,若干の書き込みというか感慨を記載しておりますが,やはり,非常に大きな変化です。

大槻は,大学院で,血液内科に所属しつつ,当時の教授でいらっしゃった八幡義人教授のご紹介で,細胞培養の仕事をするということで,当時,川崎医科大学にありました実験病理学教室(故木本哲夫教授)に助教授として,難波正義先生がいらっしゃって,丁度,同時期に東大に帰られた,それまで血液内科の助教授をされてらした戸川敦先生(その後も骨髄腫の関連で御世話になりました)が樹立されてらした世界でも稀な骨髄腫の細胞株がある,とのことで,とりあえず,その細胞株を使って何か仕事をしてきなさいって話で,実験病理の教室に出入するようになりました。

難波先生は,その後,岡大に戻られて教授を務められ,医学部長で大学院化にご尽力なされた後,現在は,新見公立短大学長,岡山医学振興財団の理事長などでご活躍で,今年新春には,山陽新聞賞も受賞されました。今でも時々,御連絡させていただいたりもしている訳ですが,いずれにしても,大学院に入った時から,難波先生のセミナーが週1回,月曜の18~21時くらいで,行われていて,それまでの臨床から基礎系の勉強会に参加するようになって,僕は付いて行くのも青息吐息だったのですが,その時に,一緒に参加されてらしたのが,兵藤先生でした。

いつも,物腰は穏やかながら,特に木本教授の仕事の関連もあって,好中球やマクロファージなどの機能(貪食能とか走化性とか)などに関する論文をご照会くださっていたように記憶しております。その頃,現在の培養センターも,机や扉の配置もだいぶ異なっていて,兵藤先生はいつも偶々当時は部屋の奥の方の実験台の処にいらっしゃって,僕なんかが,基礎系実験がわけがわからずに右往左往する時に,いつも適切なご助言を下さったり,とても,助かっていたことを,今でも記憶しているところです。なんだか,静かなのだけど,きっちりとした存在感でいらっしゃって,それまで,川崎医科大学の同級生,そしてなにかとバタバタとする臨床医学の現場しか知らなかった僕としては,これぞ基礎系の実験のことが良く判っていて,自分の好きな途を突き進まれてらっしゃる人!って印象が非常に強かったこと,忘れられない印象です。

実は,僕が衛生に御世話になった丁度10年前,教授でいらした植木絢子先生も,元々は,この実験病理の教室のご出身,僕なんかも学生の頃には,植木先生から乳癌の病理を教えていただいたことを覚えております。種々の理由があって,実験病理学教室が閉鎖されることになって,僕が大学院を終えて臨床でまた振り回されていた頃,兵藤先生は衛生に移られました。当時の衛生学教授の望月先生は,その頃短大の学長職,そして,兵藤先生が移られた後には,医大の学長をお務めになられまして非常にご多忙のご様子だったと伺っておりますので,植木先生にとっても,非常に力のある片腕として,大学院生の指導や,実験系の向上に不可欠な人材として,大いなる戦力でしたでしょうし,実際,その後に講師にご昇任の後は,医大は元より,短大やその他の学園関連施設(リハビリ学院や,旭川荘看護専門学院)などの授業等の教育についても,素晴らしい戦力として,ご活躍いただいたと聞いています。大槻が所属してからも,医大の衛生学や,それがブロック講義に移行してからの講義と見学実習のみならず,少し前まで行われていた2年生のSDLとか,1年生のチュートリアル授業とか,また,3年生の基礎総合演習とか,学生さんたちに親身になって教育をされてらしたこと,傍で感心して見させていただいておりました。

正直,兵藤先生の教育への熱心さ,真摯な姿というのは,他に例えようがないくらいに,素晴らしいものです。昨年度は学生による授業評価もありましたが,僕などあまり芳しくない得点だったのですが,兵藤先生は,しっかりと高得点を獲得されてましたし,う~ん,さすがって感じだったのです。

そのような経過の中での今回のご昇任ですが,これは本当に素晴らしいことだと思います。つまり,兵藤先生が本当に熱心にご準備もされるし,また,その場においても慎重な態度で,決して,落ち度のないように進められる授業や,あるいは,学生への指導,そういうお姿が基本的に,詳細まで充分評価されるお立場が,今回栄転される川崎医療短期大学の教授職だと感じているのです。ここにも記してきましたように,兵藤先生は,病理・衛生そして我々の研究領域であります免疫と,種々の分野でしっかりとした教育が出来る力量を備えてらっしゃいます。医療短期大学は,教育,そして学生に相当の資格を(まぁ,今はうちの医大の方もそれに尽きる状況ですが)取得させることが目標の大きな処になりますし,そのためには兵藤先生のお立場は,充分に,ご自身の力量を存分に振るえるところだと感じています。

いつも行かれてらっしゃるテニスコートも短大のグランドですし・・・,また,それでも,兵藤先生が培ってこられた研究面でのお力も,短期大学がの第三者による機能評価を受ける上で非常に大きなものになるであろうと想定されます。長年,うちの教室にいらっしゃった誼でもありますし,確かに,短大では教育が主体となってなかなkお時間を取ることも厳しいのかも知れませんが,何かお手伝いできることがありましたら,是非,云ってくだされば,出来る限りのことはしたいと思っておりますので,お気軽になさってください。

既に新年度が始まっていますので,この前の土曜日から,兵藤先生は,唯一短大勤務で辛いのは,駐車場から玄関までの坂道でしょうけれど・・・その坂道をもう登られてらっしゃいますが,最大級のエールを送るとともに,兵藤先生の教育への熱情が最大限に評価されていき,学生さんの将来に関して,素晴らしい果実が実るであろうことを期待しております。

衛生学教室として,長い間,本当にありがとうございました。移られることは残念ですが,基本的に記してきたように,兵藤先生ご自身にとっても実りあるご昇任だと思っております。短大でも是非頑張っていただきますよう,皆で応援しております。

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さて,往還ってことで,新たなメンバーも加わりました。

助手に岡山大学部総合農業科学科卒業,岡山大学大学院自然科学研究科生物資源科学専攻で修士を終え,今春,岡山大学大学院自然科学研究科生命分子科学専攻で農学博士を授与された新進気鋭の 前田 恵 先生が 入ってくださいました。岡大医学部の耳鼻科などでもテクニシャン経験もあって,環境と免疫という観点では,花粉症などの植物アレルゲンの同定等のお仕事をしてきたとのことです。僕らは,今,珪酸による自己寛容破綻とアスベストによる腫瘍免疫の変化について,一丸で頑張っているのですが,きっと素晴らしい戦力になってくれるものと期待しております。茶屋町からの通勤とのことで,でも,昔はバスとかもあったのに,今,それをJRで辿ると岡山駅経由ですし・・・・そうか,車で通うのですよね。それなら近い!ってことですね。

また,大学院生として,皮膚科より 林 宏明 先生が参加してくれます。彼のことは,学生であった頃から知っていましたし,多分,高校~大学と僕の後輩にも当たる訳ですし,これまで接している限り,非常に素直で,熱心な印象を受けます。皮膚科教授の藤本先生には,いろいろと御世話になっておりますし,精一杯指導をしたいと考えております。また,林先生も,アンテナを広く拡げて,いろんなことに科学的好奇心を発揮してみてくださいね。なんといっても,林先生の名前の方の「宏明」は現学長/前皮膚科教授/(前の植木絢子衛生学教授のご主人)と漢字も読みも同じ名前です。つまり,川崎医科大学における皮膚と免疫との関係の王道を継承する(?)名前に生まれついていた!ってことでは,って,感じてますので,是非,頑張って下さい。


それと,今週後半から,形成外科の森口教授の所に中国から研修にこられる先生がいらっしゃって,研究面のご指導を,教室を挙げて行うことになりました。さて,なんていうか,あまり損傷修復については知識もないですが,なんとか,勉強して一緒に頑張りたいと思っております。

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今年度は,なんといっても,9月14-15日第13回日本免疫毒性学会(同時開催)第48回日本産業衛生学会「アレルギー・免疫毒性研究会」が大きなイベントになります。このために,精一杯努力をしなければなりません。それには教室の皆様のご協力が不可欠です。

何卒,良い学会にするために,ご協力お願いします。

それに加えて,勿論,仕事もきっちりしていかなければなりません。昨年来のアスベスト問題を受けて,それでも,従来アスベストも含めた珪酸塩や珪酸の研究を続けてきている教室として,それに社会医学系としては,どうしてか,還元できるデータも出さないとならないでしょうし,その方向で,智慧を捻らなければならないと感じています。これにも,教室員の一丸となった協力が必要ですので,何卒宜しくお願いします。


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昨日は,中国地方は春の嵐かと思うような豪雨が過ぎていきましたが,今日は,本当に,このタイトル通り,「今朝は,陽射しが眩しい」って教授室の窓の外です。それは,きっと,ここに記してきたような多くのこと,そのどれもが,希望に満ちて,あるいは,素晴らしい未来を期待させてくれるような萌芽であったりする印象が強いからだと思っています。


さて,皆さん,新年度も頑張っていきまっしょい!!!

 大槻剛巳